ダメケル

三十歳ニートの日記

ヤクザと憲法

『ヤクザと憲法』を読んだ。もともとはテレビのドキュメンタリーでそちらのほうも見た。 
ヤクザと憲法――「暴排条例」は何を守るのか

ヤクザと憲法――「暴排条例」は何を守るのか

 

清勇会という大阪西成の指定暴力団に100日密着して、現在のヤクザが置かれている状況やその日常が分かる。暴対法以降、ヤクザの現状は厳しくなるばかりのようだ。

 
これは擁護ではないけど、ヤクザには社会からはぐれた人のセーフティーネット的な側面がある。貧困や家庭環境など様々な問題から居場所を失った人たちを受け入れる場所として機能していた。ただ、その先はガチガチの縦社会であり、理不尽な暴力が横行する世界でもある。逃げ出すものも多いが、中にはそこを自分の安住の地とするものもいる。
 
このドキュメンタリーの中で若いヤクザが出てくる。ナオトという二十一歳の青年だ。チンピラで喧嘩大好きというような風貌ではなく、田舎の野球部の高校生といった印象を受けた。彼は部屋住みという住み込みで事務所の雑用をしている子でいわばヤクザ見習いといったところ。ある日、ヤクザにしてくださいと組事務所に尋ねてきたそうだ。一度は帰されたが、結局は組に入れてもらうことになる。
 
その喋り方は非常にクセがあって、意思疎通できてないんじゃないかという場面も見られる。頭の中ではものすごく考えているのにそれがうまく口に出てこないように見えた。
 
彼は学校でイジメを受けてひきこもっていたと書かれていた。家庭の状態もあまり良くなかったそうだ。
 
そんな彼が初めて見つけた居場所が「ヤクザ」だった。普通は何でそんな所にと思うが、たぶん彼の中で初期衝動が弾けたのだと思う。芸人の水道橋博士ビートたけしのラジオを聴いて弟子入りしようと思ったというエピソードがあるが、それと似たような感じで少年の心にヤクザという存在が火を付けたのだと思う。ハッキリとした理由はない気がする。ただ純粋に格好いいという憧れが爆発したのだ。
 
だからどんなに厳しい生活でもやり抜く。殴られているようなシーンもあるが、そこで受ける暴力よりもそれまでの学校や家庭の生活のほうが辛かったのではないだろうか。だから、耐えることが出来るのだと思う。
 
色々と書いたけどナオトがメインで扱われているというわけではない。ただ僕なりに引っかかるところがあったのでまとめてみた。たぶん、自分も居場所がない人生を送ってきたからだと思う。彼のように新しい世界に飛び込むことが出来ないままズルズルと年を取ってしまった。