ダメケル

三十歳ニートの日記

ビートたけしと北野武

ビートたけしと北野武 (講談社現代新書)
 

 面白かった。芸人論の本かなと思って手に取ったんだけど、北野武という人間を通じて観る近現代史だった。彼がドラマで演じた凶悪犯を中心に昭和や平成初期の時代が綴られている。個々の事件はなんとなく知っているけど、そこに「たけし」という存在が入ってくると急に身近になってくる。

 
演技ことが色々と書かれているけど、僕は俳優としてのビートたけしの凄さをあんまり分からない。なにをやってもコントに見えてしまうときがある。ただ、たまに異質な怖さを見るときもある。「血と骨」なんかは最高だった。爆発する暴力性と性衝動や金への執着心だけで生きている男を見事に演じきっている。体型もピッタリと合っていて、我の強い人間の骨格だなぁと思った。
 
僕にとってのビートたけしは芸人というよりは文化人に近い。物心ついたときにはすでに権威となっていたし、アンビリバボーとか万物創世記みたいなお笑い以外の番組をよく見ていた。たぶん僕よりも上の世代の人は芸人のイメージが強いと思うが、下の世代になるほどその印象は薄くなっていくんじゃないだろうか。
 
興味深かったのがバイク事故のあとにたけしは色々と本を読んで「考える継続力」が必要だと感じたというところだ。そこから中学の数学などをやり直したらしく、それが平成教育委員会みたいな番組に繋がっていくらしい。「考える力」ではなく「継続力」としたところが良い。つまりこれで良いという答えを出すのではなく、常に考え続けることが大事ということだと思う。自分も継続力を付けていきたい。