ダメケル

三十歳ニートの日記

WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~

アマゾンプライムで「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」を見る。ザ・ゆとり世代の若者がふとしたキッカケで林業の世界に入っていき紆余曲折ありながらも成長していく映画。普通に就活をして就職した人なんかは仕事の厳しさや新人の頃の気持ちとか分かって、主人公に共感しやすいと思うが、僕はニートなのでどっちかというと気まずい感じがした。

 でも、映画は面白い。本当によく出来ている。まず主役の染谷将太のヘラヘラ顔が最高。ノリが軽くて礼儀のなってない若者で本来ならばイヤーな印象を与えかねないんだけど、演技のバランスが絶妙でなんだか応援したくなるキャラクターになっている。

 
林業というあまり知られてない世界の話なので、そういう知識的な部分も興味深い。それにしても、よくこれを映画にしようとしたなぁと思う。と思ったら原作小説があるようで。
神去なあなあ日常 (徳間文庫)

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

 

 でも、どちらかというと地味な仕事だし、山奥の田舎という閉じた空間での話だ。なにか明確な敵や目標があるわけでもない。それでもお終いまで惹きつけられる魅力があった。

 
なんというか「人間って動物だ」と思わせてくれる作品。林業という仕事は人間のタイムスパンではなく木の成長に合わせたものなので、時間の単位が数百年になる。ある意味いまのご時世とはまるっきり逆だ。だからこそ自然の巨大さと人間の小ささが分かるし、そこでの人間のあり方が見えてくる。なんでもきっちりと判断するのではなく曖昧に世界と付き合うことが必要になる。
 
あと伊藤英明が素晴らしかった。大雑把な感じがこの映画にはピッタリとハマっていた。最近思うのは、リアルな演技=良い演技というわけではなくて、映画のテイストに合った演技が上手い演技なんじゃないかと。そもそも映画っていうもの自体が不自然だ。時間の進み方やお話の転がり方なんて実際にはありえない。それなのに役者にはリアルを求める人が多い気がする。現実に即した作品ならそれも分かるけど、この映画の場合はむしろフィクショナルな演技が必要だ。大事なのは演技や演出で観客の感情を揺さぶることであり、伊藤英明はその意味では充分に良い役者だった。
 
でも田舎って見てる分には良いけど暮らすのはやっぱり大変だと思う。僕もこの映画ほどではないがそこそこ田舎場所で育ったので、イヤ〜な部分っていうのはそれなりに分かっているつもりだ。それにセクシャルマイノリティの人たちはこういうところは生きづらいだろうなと思った。だからこの映画ってちょっと間違えたら相当嫌な感じが出てくるんだけど、完成度が高いんだよね。テンポが良くて(良すぎる気もするけど)素敵な作品でした。