数日前に「ジョーカー」を見てきた。平日昼間、映画館の客席は三分の一くらい埋まっていた。客層は男性の一人客が多かった。
以前にストーリーを予想したんだけど、まったく違うお話だった。なんというかもっと救いがなくて悲惨。
あんまり考えがまとまらないので、箇条書きで思ったことを書いていく。ネタバレしていくので未見の人は注意。
『ジョーカー』心優しき男がなぜ悪のカリスマへ変貌したのか!? 衝撃の予告編解禁
踊りながら階段を降りていくシーン。もしかしたらアーサーが人生で初めて感じた多幸感じゃないかと思うと切なくて泣けてくる。しかもそれが薬を抜いたことで得られたと思うと余計に辛い。
コメディアンを目指すアーサーだが、たぶん普通の仕事ができないんだろう。能力的にはできるけど、面接のときに緊張して笑ってしまうから不採用になる。
「キングオブコメディ」や「タクシードライバー」ではメチャクチャな方法ながら現実の女性にアプローチするけど、「ジョーカー」では脳内で完結しているので、余計にこじらせている感がある。
刑事の前で小馬鹿にしたようなダンスをするジョーカーを見て「うわぁ、ジョーカーだぁ」とテンションが上がった。その前のシーンで事件のことを疑われて動揺しているのかドアに激突するアーサーと対比してみると面白い。
アーサーの笑うポイントがズレているシーンが見ていて辛かった。小児科に拳銃を持ち込むのも、本気で小道具として使おうと考えていたのかもしれない。たぶんこれまで集団生活に馴染めなかったせいで、そのへんの常識が分からないんだと思う。しかも、その原因である発作的な笑いが虐待によるものだったとすると、そりゃジョーカーになるわな。
アメリカでは上映中にヤバい奴がいて観客が自主避難したらしいけど、たしかにこれを見て一線を越えちゃう人はいてもおかしくない。