ダメケル

三十代フリーターの日記

シュワルツェネッガー主義

なぜこの本を買おうと思ったのか、よく分からない。別にアーノルドシュワルツネッガーのファンでもないし、出演作を全部見たわけでもない。どちからというと僕はスタローンのほうが好きだ。でも、この本が手元にある。そして一気に全部読んでしまった。なぜだ。

 

現在31歳の僕にとって、シュワルツネッガーはテレビで見る映画スターだった。始めてターミネーターを見たのが小ニくらいのときで、本気で怖かったのを覚えている。それはシュワルツネッガーどうこうというより作品世界の恐怖していた。僕が大人になったら機械が反乱を起こして人間は皆殺しにされるんだと本気で思っていた(小学校低学年の頃は現実とフィクションの区別が曖昧だった)

 

テレビで彼が主演する映画をたくさん見た。今でも強烈な印象が残っている。「ツインズ」では鞄を盗まれそうになるも握力があまりに強いので泥棒がすっ転んだり、「ジュニア」では妊婦センターの婦長のような人に自分はオリンピックのドーピングでこんな醜い姿にと打ち明けたり、「ラスト・アクション・ヒーロー」では少年のお母さんと一緒になって説教をしてきたりと。実のところ、これらは大人になって見返してない。子どものときに一度見ただけなのだ。それなのになぜか、ところどころのシーンが異様に記憶に残っている。でも、彼の持ち味でもある派手に大暴れするシーンが何一つ記憶になかったりする。

 

中学生になってからはターミネーター3が話題だった。当時の僕は映画に興味があまりなかった。そのとき友達だったMくんは熱心なシュワルツネッガー信者で、劇場で見たと自慢していた。終いにはシュワルツネッガーと国際電話したと言い張る始末だった。虚言癖があったのだろう。

 

ニートになって腐るほどある時間を映画鑑賞に当てた。おかげで前よりも深く楽しくめんどくさく映画を楽しむことが出来るようになった(社会人としての能力と引き換えに)近年の作品だと「大脱走」や「ラストスタンド」はそれなりに楽しめたと思う。たぶん大雑把な作品群もこれはこういうものと割り切ればすっごく楽しいに違いない。

 

本を読んで、シュワルツネッガーという人の豪快さを改めて知った。ボディビルで天下を取り、映画の世界でスターになり、政治家に転身するもスキャンダルでこき下ろされる。そして、再び映画人として奮闘している。近くにいたら絶対好きになれないけど、スクリーン越しに見る彼はたまらなく魅力的だ。

 

 

シュワルツェネッガー主義

シュワルツェネッガー主義