ダメケル

三十代ニートの日記

ハロルドが笑う その日まで

生活メモみたいなブログばかり書いているのも味気ないので、たまには生産的に映画の感想なぞ書きたいと思います。

 


『ハロルドが笑う その日まで』予告編

 

ストーリーは以下の通り

品質にこだわった小さな家具店を長年支えてきたハロルド(ビョルン・スンクヴィスト)は、店の前にIKEAの北欧最大級の大型店ができたことで、自身の店をたたまざるを得なくなってしまう。さらに妻も失い、怒りに震える彼は、IKEAの創業者カンプラード(ビヨーン・グラナート)への復讐(ふくしゅう)を画策する。カンプラードを誘拐するためIKEA誕生の地エルムフルトを目指す道中、偶然出会った少女エバ(ファンニ・ケッテル)も計画に加わり……。

 

最初はグローバルな大企業に個人が鉄槌を食らわせるような胸がスカッとするような映画かなと思ったけど、実際はもっと深いお話だった。

 

長年営んできた家具店が潰れただけでも悲惨なのに、奥さんは認知症になって老人ホームへ。おまけに急に環境が変わったことでパニックになりハロルドに向かって「こんなヨボヨボな爺なんて知らない!」と罵り、そのまま帰らぬ人へ。失意のハロルドは自殺しようとするも失敗。

 

踏んだり蹴ったりなハロルド。とはいえ、映画を見ていて何でもかんでもIKEAのせいにしすぎではと思った。彼のお店もやりようによっては仕事を続けることが出来たのではないかな。劇中に高級家具を愛用している老夫婦が出てきていてるし、IKEAの顧客とは被らない裕福層にアピールできれば活路が開けたかも。ただ、ハロルドはそういうイメージ、広告戦略ついてはかなり疎い模様。実際、誘拐したあとでマスコミ対応についてカンプラードやエバの言いなりになっている。

 

またIKEA創業者カンプラードも存在はムカつくけど、言っていることは恐ろしく正論。IKEAが出店することで何万人という雇用を生み出し、老人になってもいつも商売のアイディアを考えてる。たぶん新しいテクノロジーについても勉強しているに違いない。

 

常に努力しているカンプラードと努力を放棄したハロルド。この二人を比べるとカンプラードが遥かに正しい。でも、ハロルドみたいに一つの仕事しかやってこなかった人って世の中たくさんいるし、それを全部自己責任ですと片付けるのもちょっと殺伐としすぎて嫌だ。それにカンプラードもまた成功の代償を背負っていているし、子どもたちに事業を譲れと言われている。彼もまた時代の流れに晒されている。

 

途中、ハロルドはエバという女の子と出会う。彼女の母親は新体操かなんかのチャンピオンだったらしいが、いまはすっかり落ちぶれている。母親は過去にすがりつき、エバはそれを見捨てられずにいる。おそらくハロルドはここで過去に固執することの滑稽さとそのせいで周りが不幸になっていくことを感じ取った気がする。

 

ラストにハロルドはこの世界の不条理を笑い飛ばし、また人生を歩んでいこうとする。やっぱり笑うことって人間にとって大事なんだと思った。