ダメケル

三十代フリーターの日記

タクシードライバー


Taxi Driver (1976) - [Official Trailer HD]

映画通と自称する人ほど語りたがるといわれる「タクシードライバー

 

なんでも形から入る自分は学生のときに映画通になるぞと息巻いて本作を鑑賞。最初はまったくちんぷんかんぷんで意味不明だった。後に本や解説を読んでから見直すとああそういうことかと分かった。

 

ベトナム戦争から帰ってきたけど、ろくな仕事もなくて孤独なトラビスはどんどん自意識を肥大化させていき、自分の正義を行おうとする、いわばこじらせた男の物語なのだ。

 

いまの現代日本で置き換えるなら、トラビスはブラック企業に入って精神をやられて退職し、いまは派遣で働いている男。マッチングアプリで丸の内系OLと知り合うも散々なデートをして振られてしまう。逆恨みして女の務める会社のイケイケな社長をぶっ殺そうと身体を鍛えるもいざ実行するときに失敗。代わりにパパ活しているJCを救い出すために、援交おじさんをボコボコにするというお話(たぶん違う)

 

三回目の視聴。やはりデ・ニーロのキレキレの演技が凄い。好きなのは選挙事務所にいるベティーを遠くから眺めるときの顔。完全に緩みきっていて可愛い。

 

改めて見て気付いたのは、トラビスの計画性のなさ。暗殺が失敗したから娼婦を助けに行くという展開もそうだけど、そのもっと前の部分で強盗の黒人を撃ち殺すシーン。これがなかったらトラビスは身体を鍛えて銃を買い揃えたところで満足していたように思う。

 

そもそもトラビスは実はベトナム戦争に行ってないという説もあって、それを踏まえると映画の見方がまったく変わってくる。よりこじらせた感が強くなる。

 

タクシードライバー (字幕版)