ダメケル

三十代フリーターの日記

学校

子どものとき、テレビでやっていたのを覚えている。なんだか説教臭そうだな、こんな映画誰が見るんだろうと思っていた。 大人になった今見ると、沁みる沁みる。擦り傷にぶっかけられる消毒液くらいに沁みた。

 


学校【予告編】

夜間中学校に勤める黒井はある日校長に呼び出され「そろそろ異動を」と薦められていた。しかし黒井は「私は夜間に根を生やして『古狸』と呼ばれたいんです」とつっぱねる。黒井のクラスには働きながら夜間に通うカズ、中学1年生で不登校になったえり子、不良のみどり、日本の社会になかなか馴染めない中国人の張、焼肉屋を経営するオモニ、脳性麻痺で言葉の不自由な修、そして長年の肉体労働で身体を酷使した競馬好きのイノさんがいた。それぞれに違った環境でそれぞれの悩みを抱えつつ夜間に通う生徒たち。 そんな中、イノさんが体調不良で田舎に戻り、療養中となり教室には不在であるところから物語は始まる。(wiki)

 

まず音楽にガツンとやられる。夕暮れが差し込む校舎に哀愁漂う旋律が重なる。もうそれだけで涙が出そうになってしまった。


学校 山田洋次

 

役者の演技も最高だった。とくに田中邦衛の演技にぐっときた。 なんというか労働者って感じがすごい。セリフの一言一言の重みがずっしりとくる。 この人が今まで生きてきたと感じさせてくれた。いま格差社会だなんだ言われてるけど、そんなのは昔からあったんだなと当たり前のことを気づかせてくれた。 このキャラクターのエピソードが何か他と違うなと思っていたら、 なんとモチーフになった実在の人物がいたらしい。

 

西田敏行演じる黒井が最初に教育論みたいなものを語るんだけど、規則通りならコンピューターでもできる。例外を認めるのが教師ってものじゃないんですかね。 みたいなことを言っていたのがとても印象的だった。 劇中でも生徒と向き合うときに文字通り向き合うときもあれば、 後ろに回って同じ方向を見つめるときや、寄り添うように横に並ぶときもあって、一方方向の教育じゃないという映画的な演出が良かった。

 

手紙を書くシーンが印象的。手紙を出すなんて当たり前のことだと思っていたけど、文字を書いて相手に認識してもらうことが、いかにすごいことなのかを思い知らされた。

 

色々な違いがある中で、ときに絶対に理解できない差がある中で、一つの答えを共に探し出そうとするラストが良かった。

 

学校

学校

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video