今週のお題「最近見た映画」
最初に見たときは、エログロ描写に圧倒され、森田剛の演技に魅了されてしまった。特に猫背でガニ股気味に歩くのが最高。 あまりの最高だったので、すぐにもう一度見た。ちなみに原作は未読。映画はかなり改変されてるらしく、納得してない原作ファンもいるのだとか。
わりと映画見ている自分でもキツイ映像があったので、グロいの苦手な人は注意したほうがいい。血がブシャァァと出るようなエグさじゃなくて、本当に生々しくてイヤな感じのする暴力場面があります。
Netflixに入っていたので三度目の鑑賞。
(以下ネタバレを含みます)
改めて見るとタイトルの入り方がキレキレだなと思ったが、初見時には気づかなかったことがいくつかあった。
・岡田もウソをついている
森田は終始ウソをついている。いま言った言葉と矛盾することを平気で言う。これか彼のサイコパスな雰囲気につながっている。 一方で岡田もところどころでウソをつくし、ヘタレなところもある。ただ、恋人が出来てからはガラリとその行動が変わっていく。 逆に森田は恐喝とはいえ唯一の関係性のあった和草を殺し、社会から完全に孤立すると、暴走するようになる。ある種の鏡像関係でありながらも、社会との関係性という点においては決定的な違いがあった。
・イジメシーンの順番
映画の構成上の理由からかもしれないが、回想シーンでは森田がイジメっこを殺すシーンが最初に出てくる。 後に出てくるイジメシーンを見ていると、こんなやつ殺されても仕方ないと思ってしまうんだけど、 殺すシーンを最初に出すことで、見る人が持つ森田への心理的距離をちゃんと取っているように感じた。
・殺される人のリア充感
森田に殺される人たちというのが、微妙にクセのあるように見えた。 例えば、チャリ通勤しているサラリーマンが乗っているのが、スポーツタイプで高そうなチャリで、 住んでいるところも豪華。かなりの勝ち組に見える。 また、ユカの隣に住んでいる男のナルシストっぽい感じがある。まぁ、ただそれだけで殺されるなんて、たまったもんじゃないんだけど。
自分みたいな人間はヤバいなぁと思いながらもどうしても森田に感情移入してしまう。 だから、ラストの逃走シーンは涙が出てくるし、ある意味「救済」される展開に思える。 おまけに最後に出てくる犬がうちで飼っている犬にソックリなのが余計に……