ダメケル

三十代フリーターの日記

宇宙の戦士

 初めて買った小説はロバート・A・ハイラインの「宇宙の戦士」だ。ガンダムの元ネタになったと言われるSF小説で、日本のアニメに大きな影響を与えた作品だ。

 当時は中学生で、SF憧れがあり、アニメや漫画ではなく小説を読むのがカッコいいと思っていた。もともと映画化された「スターシップ・トゥルーパーズ」を観ていて、原作なら取っ付き易いだろうというのが選んだ理由だ。しかし、全然分からなかった。唐突に専門用語が出てきたり、もったいぶった言い回しが続くので、話の半分も理解できなかった。

 

 あれから二十年。だいぶ昔に売ってしまったので再び買い直した。新訳版で値段がちょっと高くなっている気がする。昔は挿絵があったけど、これはなし。読んでいると、あぁこんな場面あったなと記憶がどんどん蘇っていくのが楽しかった。

 これは一人の青年が軍隊生活を通じて大人になっていくお話だ。とても右向きな小説。バグと呼ばれる異星人と戦争してるんだけど、それはオマケ程度で、訓練の話や戦争や軍隊がどうあるべきかみたいなのが延々と続く。

 

 とくに印象に残ったのは、睡眠の話だ。主人公が士官候補生になり、めちゃくちゃ忙しくなって、睡眠時間を削ろうとする。そうすると上官からちゃんと寝るんだとアドバイスを受ける。あと、この世界の軍隊では催眠術が取り入れられており、戦場でも瞬時に眠ることができるようになっている。半世紀以上前の小説なのに寝ることを大事にしているのがすごいと思った。

 

 まぁ、全部読みこなせたわけではなく、ところどころ意味不明なところもあった。小説の読解力をもっと上げたいなと思った。