ダメケル

三十代フリーターの日記

無職の旅

 犬が死んでから、散歩の時間になるとソワソワするようになった。

 だから気持ちを切り替えるために旅行に出ることにした。思い切って二泊三日。

 今回は旅行支援を使ってみた。最初はなんだかややこしそうな感じがしたが、やってみると簡単だった。ワクチンの接種証明書と身分証があれば大丈夫だった。

 初日は鈍行に揺られ、名古屋へ。前日まで大雪だったので電車が動くだろうか不安だったが、時刻通りに運行していた。窓から見える雪景色が綺麗だった。

 駅を出るとメイウェザーの試合で花束を投げつけた人が演説をしていた。

 適当にブラブラする。名古屋は道が広い。ブックオフに入って暇つぶし用の文庫本をポイントで買う。

 そして、アパホテルにチェックイン。

 

 

 今回はビジホでダラダラするのではなく、友人に会う約束を作っておいた。 五年ぶりの再会。旅行支援のクーポンが使える居酒屋に入り、飲み食いして、お互いに色々と話した。

 宿に戻り、酒を飲みながら、ダラダラとする。これでアパホテルは3度目。部屋の形はだいたい一緒なので落ち着くんだけど、 やっぱり熟睡はできなかった。浅い睡眠を繰り返し朝を迎える。

 

 

 翌日。次のホテルのチェックインまで時間があるので、どこかで暇つぶしをしないといけない。 映画館や漫画喫茶にでも入ろうかなとウロウロしていたら、セルフカフェなるものを見つけた。

selfcafe.jp

 店内でコーヒーを買えば、電源とwifiが確保できる。スタッフは見なかった。

 事前にダウンロードしていたラジオを聞いたり、文庫本を読んだりして時間を潰した。安上がりに済んで良かった。

 電車移動。知らない町並みを見るのはほどよい刺激になって良い。ボーッとしたり、つらつらと物事を考えたりできた。ゆっくりとした移動をしていると、日本はほとんど田舎なんじゃないかと思えてくる。

 

 次のホテルは東横INN。初めて使うホテルだ。アパホテルとは微妙に違っているが、妙に思想が強いところは 似ているなと思った。

 幽霊が出る部屋にはこういう絵の裏に御札が貼っているらしい。貼ってなかったので良かった。

 ここでは旅行支援のクーポンがドカンと4千円分貰えた。何に使おうか迷ったが、思い切ってカウンターの寿司屋に入った。 特上握りとビールを頼む。たまに食べるスーパーのパック寿司の3〜4倍の値段だ。

 美味しいが緊張してゆっくりとは味わえなかった。醤油を袖にちょっとこぼして恥ずかしかった。無職が贅沢したから罰が当たったのだろう。

 ホテルに戻る。二日目なら寝られるかなと思ったが、むしろ初日よりも睡眠が悪かった。 内容は覚えてないが、とにかく悪夢ばかり見た。 でも、最後の最後に犬を抱いた夢を見ることができた。

 三日目。東横INNは無料の朝食がある。バイキング形式のメニューは和食よりな感じがした。

 部屋に戻り、チェックアウトの時間までダラダラする。 

 

 帰宅すると、寝不足のせいか、ものすごい悲観的な気持ちになり、泣きたくなった。 犬のことというより、自分がこのまま社会に適応できず死んでいくことが悲しかった。 これは一時的なものだとわかってもしんどかった。

 

 今回の出費は食費、宿泊費、交通費、雑費など合わせて22000円ほど。 旅行支援のおかげで食事面はかなり豪華にすることができた。