ダメケル

十年ニートだったけど社会復帰した人の日記

暗闇に光る長方形から出る甘い液体

 ニート時代。夜中に無性に炭酸飲料が飲みたくなるときがあった。当時暮らしていたアパートの近くにはドラッグストアがあったけど、レジに商品を持って行って店員にお金を渡すという行為が億劫で、少し離れたところにある自販機を利用していた。ドラッグストアより自販機の方が割高で無職には痛い出費なのだが、誰の視界にも入りたくない夜はそんな風にして喉の渇きを癒していた。

 散歩がてらに夜道を歩く。冷たい風が心地いい。モーター音が静かに響く自販機に小銭を入れて、お目当てのジュースを買う。一番安い甘い炭酸飲料だ。なるべく外にいたくないのですぐに部屋に戻る。今日も何もしなかった、出来なかったのにという罪悪感と一緒に飲み込む甘い炭酸は妙に舌に残った。最初の一口、二口でけっこう満足してしまい、若干の後悔と共にダラダラとインターネットしながら、チビチビと啜っていく。

 今なら自販機のジュースくらいなら気にせずに買えるどころか、なんならUberEatsでお菓子やご飯を頼めちゃうくらいの財力はある。 でも、あのどうしようもない時の110円を出して買ったジュースの方が美味く感じてしまう気がするんだよな。 よく働いて飲むビールは美味いというが、働かずに飲むジュースもそれなりに美味いということがあるかもしれない。