引きこもっていたとき、ずっとオードリーのラジオを聴いていた。スマホをいじりながら、天井を眺めながら、昼寝をしながら。二人のテレビの話や若い頃の話、お笑いについての考えでヒマを埋めていた。毎日三週間分くらい流しっぱなしにしていた。一回の放送が二時間なので、それで半日くらいは潰せいていたのだ。そのときは鬱々としていたが、いま思うと贅沢なひと時だったと思う。
あの頃はお小遣い程度のわずかな収入しかなかったが、オードリー関連の本や雑誌はよく買っていた。でもやっぱりお金がないから、ある程度読み込んだら売っぱらっていた。なので手元にはほとんど残っていない。
まぁ、それほど熱心なファンというわけではないけど、ゆるく長く追いかけ続けてきた。
これまでオードリーのライブやイベントには行ったことがなかった。数年前に働き出して多少の懐に余裕が出来るようになってから、ネタライブの告知があるたびに応募していた。ライブはキャパ300人程度の小さいホールで行われる。オードリーは東京ドーム5万席を埋める集客力を持っている。だから単純に考えると、ネタライブのチケットは20~30くらいの倍率はある。
しかし、なんとそのチケットに3回目の応募で、当選することができた。おまけに最前列だった。スマホで当選メールの画面を見た瞬間に、よくないことが起こるかもしれないと怖くなった。

何もない地面でこけるとか、車に引かれるとか、隕石が落ちてくるとか。
幸いに当日まで何も起こらず、朝に家を出た。でも、まだ安心できない。隕石落下よりも電車や新幹線が動かなくなる可能性の方がはるかに高い。しかし、新幹線は無事に出発し、東京に到着することができた。
午前中は杉並区阿佐ヶ谷周辺のオードリースポットを回ることにした。 まずは日大二校。若林と春日が出会った学校である。阿佐ヶ谷駅から徒歩15分。 意外と歩くがここを通学していたのかと思うとなんだかワクワクしてくる。

売れない頃に春日作ったオードリーのホームページのタイトル天沼パトロールの天沼だ!と嬉しくなった。

学校前でウロウロするのは気が引けるので、写真だけ撮ってすぐに退散。
オードリーの高校時代の話が好きだったから、エピソードが生まれた現場を見れて良かった。
その後は阿佐ヶ谷駅に戻り、商店街を抜けて、かつて春日が住んでいたむつみ荘へ。





令和の住宅街の中に突然昭和が現れたような建物だった。 壁は塗り直したのか新しい。でも階段はだいぶ使い古された感じがあった。
ここから新宿へ行き、オードリーが無名の若手のときに舞台に立っていたものまねパブのキサラに行く。

外から看板を眺めるだけで中には入らず。
実際に移動してみると、オードリーがこういう距離感で動いていたのかと分かって面白い。 春日ってずっと高校の近くに住んでたんだな。
午後からは一度行ってみたかった神保町へ。色々なところに古本屋があって凄かった。

見ているだけでも楽しい。今度は本屋巡りで来てみたい。
ちなみに宿は神保町の近くのアパホテルにした。 毎度お馴染みの光景。

ここだけ見たら東京に来たとは思えなくなる。とりあえず部屋で休憩。人混みを歩き続け、少々頭が痛くなってきた。 1人旅だと休憩することを忘れてしまう。
時間が近づいてきたので会場のある下北沢へ。ライブは北沢タウンホールという区立の多目的ホールで行われる。

お客さんは年齢層が少し高くで、男性比率がわずかに多い印象。 開場を待っていたらマネージャーの岡田氏が前を通り過ぎた。ビックリして声を掛けようかと思ったが、周りのお客さんが無反応だったので辞めておいた。ロビーのところにチラッとサトミツが見えて、これにも驚いた。華奢なイメージだったけど意外とガッシリとした体格だった。
いよいよ時間になり、指定された最前列の席へ。

端っこではあるがこんなに近いのかと慄く。 照明が暗くなり、拍手が鳴る中、舞台袖からオードリーが現れる。 ゆっくりと歩いてくるピンクベストを見た瞬間に「本当にいたんだ」と感極まる。 この人たちの話をずっと聞いてきた人生だといっても過言ではない。
ライブには他にも出演者がいて、半分くらいは名前を知っている程度だった。 内容に関してはSNS等には書かないでくださいとアナウンスされていたので割愛させていただく。
漫才やコントを生で見るのは初めてなんだけど、最前列ということもあって芸人さんの声のデカさが凄いなと思った。 画面で見るのとはまったく違う感じがして、なんというか人間がぶつかってくることに圧倒されっぱなしだった。 大勢の人で一つのモノ笑うって体験も初めてで、めちゃくちゃウケてるネタのときは文字通りお腹を抱えて笑っている人がいた。
楽しいライブはあっという間に終わり、余韻を噛み締めながらホテルへ戻った。
翌日、朝の新幹線で帰宅。直前で取ったから指定席が埋まっており、グリーン車に乗る。 おしぼりを渡してくれるサービスのあるなんて知らなかった。 広々として良かったが、コレに5000円の価値はあるのだろうか。 そして、無事に家まで帰ってきてこれた。
イベントごとがあった方が人生にメリハリがつくなと思った。行く前の期待と行った後の満足感でずいぶんとメンタルが安定した感じだ。 東京はどこも人が多くて疲れたけど、行って良かった。



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