ダメケル

三十代ニートの日記

持たない幸福論

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京大卒の元ニートとして有名なphaさんの本です。文庫化されたので買いました。単行本のほうは電子書籍で持っていたのでちょうど良かったです。
 
この本は「世間一般の価値観に縛られないで生きる方法」をまとめています。phaさんの実体験や本で得た知識などを総動員して、抽象と具体の間をふわふわ移動しながら、読みやすい優しい文章が書かれています。
 
「自分の感覚を信じよう」「シェアハウスで生活コストを下げよう」「ネットでゆるく繋がろう」「お金のかからない趣味を見つけよう」「田舎に拠点があると楽しいよ」などなどが挙げられています。
 
時々、「まぁそうかもしれん」「まぁ知らんけど」みたいな感じで頼りない部分を出てくるのですが、返ってそのゆるさが良かったりします。
 
一番印象に残ったのは、価値観を押し付けてくる人たちを違う宗教の人だからほっとけばいいと言い切るところです。僕はここを読んで、逆に自分が人に考えを押し付けているのではないかと思いました。善意で他人にしたことが、新興宗教の勧誘みたいに迷惑なものだったかもと。
 
僕にとってphaさんの考えは「高速バスのトイレ」のようなものです。高速バスというのはだいたい三〜四時間に一回のペースでトイレ休憩に入ります。もし途中でお腹が痛くなって「次のSAまでニ時間もあるのか」となったら絶望しかありません。でも、バスにトイレがあったらいざとなれば大丈夫ですし、使わないとしても安心感があるのです。
 
実際に活用するかは別にして、そういうライフスタイルや人がいると知るだけでも随分と楽になります。
 
社会学者の見田宗介さんが解説を書かれています。phaさんいわく相当に影響を受けているそうです。僕は全然知らない人なのですが、面白い解説でした。なんというか一冊の本くらいの内容をギュッと圧縮した文章です。本文よりも難解です。次はこの人の本を読んでみようと思いました。