アル仙さんを知ったキッカケはTwitter。たまたま流れてきた1ページの漫画に心を惹かれました。絵柄が今風ではなかったので、てっきり昭和生まれの漫画家と思ってました。それこそ自分よりもずっと年上の男性作家なんじゃないかなとイメージしてました。二十代の女性と知ったときは驚きました。
漫画の中ではアル仙さんのADHDや不安障害の症状が語られます。波乱万丈なのですが、エピソードはだいぶ削っているらしいです。
アル仙さんの症状で自分も同じだなと思うところがいくつかありました。「なんでと思うこと」「左右がわからない」「階段が苦手」と、小さいことかもしれませんがこういうことが積み重なるとかなりの負担になります。あと最初のほうに出てくる愛犬とのお話が良かったです。自分も犬を飼っていて、たまに会話の練習をしたりします。一方的に自分が喋るだけですが、気が楽になります。
ただ、アル仙さんと自分には決定的な違いがあって、彼女は「チャレンジ」しています。失敗して人に迷惑をかけて、ものすごく落ち込んでも、また前を向いて頑張ろうとしている姿が凄いです。
不安定なアル仙さんの心の支えは漫画です。描くことへのエネルギーが強烈です。本当に好きなんだと思います。自分を振り返ると、何か打ち込めるものがあるのだろうかと思いました。昔はいくつかあったんですが、いつの間にか消えてしまいました。こうやって文章を書くのは好きですが、何がなんでもやり遂げる熱い衝動はありません。ただ、なんとなく忘備録に書いているつもりなのです。
読み終えた印象としては、出会いって大事だなと感じました。アル仙さんにはボスと呼ばれるアートの先生がいます。この人のアドバイスによって彼女は紆余曲折ありながらも生きていこうとするのです。逆にボスがいなければ状態はより悪化していたのかもしれません。他にも職場の人や入院していたときに出会った人などもアル仙さんに大事なことを気づかせてくれます。
人と違うことで人から弾かれることがあるかもしれませんが、世の中の全員が嫌うわけではありません。中には手を差し伸べてくれたり、一緒にいてくれる人がいます。他人から嫌な気持ちにされて、他人から暖かい気持ちにさせられる。そんなことを考えました。
アル仙さんはADHDであることは免罪符ではないと言い、どうすれば上手くできるかを試行錯誤しています。色々とやられているのですが、僕がいいなと思ったのは「自分を知る」ことでした。何が出来て、何が出来ないのか、調子が悪いときはどうなるのか、どうすれば休めるのか。分かっているようで意外と分かっていなかった気がします。今後、ブログを通してまとめていけたらなと思いました。
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