ダメケル

三十代フリーターの日記

一人暮らしの思い出

一人暮らしを始めた頃の話。

 

朝方、目が覚めた。外から「うぉー」「うぉー」という唸り声のようなものが響いてくる。えっ、おばけ?こんな朝に?新しい生活がスタートさせたばかりで不安だらけだった僕は泣きそうになった。まだ職場にも慣れていないし、朝はゆっくりと眠りたかったのに一体なんなの?おそるおそると窓のほうを近づくとお坊さんの集団が並んでいた。彼らは「うぉー」「うぉー」と声を出し続けている。心霊現象ではないとわかったが、不気味だ。しばらく見ていると隣の家に移ってまた「うぉー」「うぉー」とやりだした。

 

あとで調べてみると托鉢という行為らしい。駅前に立っている人は見たことがあったけど、家まで来てやるのかと驚いた。しかし、朝早いのは勘弁してほしい。最初の托鉢から数年後にまた同じ時間帯にきた。その後は引っ越したので分からないが、まだやっているのだろうか。このご時世だから苦情とかこないのかな。