長いあいだニートをやっていると人前に出るのが億劫になる。だからといってずっと引きこもっていたら余計に悪化するので、なるべく外に出ようと思っている。
何かの手かがりになるかなと思って、この本を読んでみた。Kindle Unlimitedに入っている。
社交不安症とは、他人を過剰に意識するあまりに強い不安を感じてしまい、身体的な症状が現れたり、社交の場面を避けたりする症状のこと言う。日常生活に重大な支障が起こすために、性格の問題だけでは片付けきれない。
僕はもともとこういう気質はあったけど、最近は余計に悪化してしまった感がある。
この本の中では社交不安症が起こるメカニズム、治すための認知行動療法、コミュニケーションの取り方などがまとめられている。
とくに認知行動療法に関してはかなり具体的に段階を踏んで書かれている。タイトル通りに一人で治すことが可能かもしれない。
全体で印象に残ったのは、自動思考だ。例えば人前で恥をかいた経験から、同じような場面に遭遇したときまた恥をかくのではないかという考えることをいう。過去のイヤな体験から物事に対してネガティブな考えが自動的に浮かんでくるのだ。
この自動的というのが厄介で、自分の意思でコントロールできない。そのくせこれがネガティブであればあるほど行動や視野は狭くなる。まったくとんでもない。
だから、これ自分のせいじゃないと放り投げたほうがいい気がする。
厳密には自分のせいなんだけど、そう考えると余計に自己嫌悪に陥るので、何かのせいにしたほうが気が楽になる。
言ってみれば脚気検査みたいなものだ。脚気とは栄養状態の悪い昔の人がよくなっていた下半身の病気だ。検査の方法はハンマーでヒザを叩く。健康だとピンと動くが脚気になってると反応が鈍い。まぁ今の世の中で脚気の人はいないだろうが。とにかくこれは自分で伸ばしているわけではなく、身体の反射として伸びている。自分であって、自分じゃない。
イヤなことが思い浮かんだら、これ自分のせいじゃないと考えて、必要以上に引っ張られないようにしていきたい。