ダメケル

三十代フリーターの日記

イヤな記憶

新卒で入った会社がブラックだった。職種は小売、まぁまぁ大手。なぜそこを選んだかといえば、そこしか受けてなかったからだ。三回面接をして内定が出た。大量採用していたので、よほどのことがない限りお祈りはなかったと思う。

 

まずおかしいと気づいたのは、新人研修の合宿だ。四泊五日、山奥の施設に連れて行かれる。いきなり怒声が飛び交い、あっこれはヤバイところに来たと直感した。座学、グループワーク、経営理念の暗唱なんかをひたすらやる。その間、行動のすべてが管理され、怒鳴られ続けられる。暴力はないけど、なんでも大声でやらないといけなくて、喉が死んだのを覚えている。一日目の夜にもう辞めようと決心した。

 

研修が続くと、周りの様子が変わってくる。ハイになる奴、泣く奴、密かに反抗心を持つ奴といろいろといた。人間は簡単に洗脳されるんだなぁと感じた。結局、入社して三ヶ月くらいで辞めた。

 

内定が出た時、採用担当に研修のことを質問してもニヤニヤと笑って誤魔化されるだけだった。そりゃこんなことがあるなら隠しとくわな。けど、どうせなら最初に言ってほしかった。このときのことがけっこうトラウマになっていて、他の会社でも同じようなことがあるんじゃないかと思ってしまう。

 

あの研修がいまも続けられているかは知らない。たぶんやっていると思うが、昨今は何かとブラック企業って言葉が話題になっているから、内容は違っているのかもしれない。

 

まぁ、もっと就活を真面目にやっておけば良かったと話なんだけど、当時は働くということにどうしてもイメージを持てなかった。あのときからニートの片鱗は見えていた。

 

 

 

それから

今年の初めから夏目漱石の『それから』を毎日一ページづつ音読していて、昨日読み終えた。ニートだと声を出さない日が続くので発声の練習として続けていた。だいたい朝に読む。程よく難しい漢字や難解な言い回しがあるので頭の体操にもなる。
 
高校生の頃に教科書に『こころ』が載っていた。国語の先生はこれは名作だ!名作だ!と連呼していたけど、当時の自分には何も響かなかった。そのとき読んでいた西尾維新佐藤友哉のほうが感動していたし、価値があると思っていた。若気の至りである。
 
この年になって色々と知識が付くと、夏目漱石という人は新しい時代にどうやって生きるかを考えていたのかもしれない。
 
現代は「恋愛」と「仕事」は自分の意思で決めるべきものとされている。しかし、ちょっと前まで見合いで結婚することは当たり前だったし、集団就職や家を継ぐことも当然のようにあった。『それから』の時代では「家」が強い力を持っており、「個人」は弱い存在だった。その中で高等遊民の代助が家を捨て、愛を選び、自立した生き方をしようとする。
 
実際のところ代助がそういう生き方が出来るのかは微妙なところだ。繊細すぎて何度も寝込むし、打たれ弱くてすぐ狼狽してしまう。インテリだけど世の中を渡っていけるだけの気力みたいなものが決定的に欠けていた。最後は頭がおかしくなったのではないかと思わせるほどだけど、あれはもしかしたら刺激の強い赤に意識を向けることで、自分を強くしようとしているかもしれない。
 
『それから』の音読を始めたときに、これを読み終えるときは仕事をしているかもと思ったが、ニートのままだった。

 

それから

それから

 

 

腸環境

お腹の調子が戻りつつある。
 
この頃は気分が落ち込む。意識が自分のほうばかりに向いていると、落ち込みは加速度的に酷くなっていく。もし社会に出ていれば、意識が外に向くので多少はマシになるような気がする。しかし外ばかり見すぎて、内がいつの間にか死んでいるということもありえる。社会と自分のペースを上手く合わせれば生きやすいのだろうけど、往々にしてズレるばかりだ。
 
社会というのは他者なので自分でコントロールができない。できないならできないと割り切れば良いのだが、自分を乱してくるのが厄介だ。
 
 
最近見た映画

予告編を見た感じではコメディっぽいのかなと思いきや、けっこうバイオレンス。記憶が封印されたエージェントが襲われるところで覚醒して一瞬で敵を倒し「俺は一体どうしたんだ」と唖然とする描写が好きなので、まさにドンピシャの映画だった。脇役の男たちが撃たれるときに泣いているのが印象的。音楽の使い方が良くて、人がバンバンと死んでいくのでハイな気分に浸れた。最後に出てきた中国人が千原ジュニアにしか見えない。

 

 

イタズラをしたら人間界が大変!みたいなほのぼのとしたコメディを想像してたけど、かなりブラックな映画だった。痛快さというよりは不条理な感じ。劇中で集められる新しい使徒たちはなにかのメタファーなのかなと思いつつ、宗教の知識はあまりないのでよくわからんかった。神様が人間界でボコボコにされるところは笑えた。

 
 
人生スイッチ(字幕版)
 

短いお話が集められた映画。人間って愚かだなぁと思った。ショックを受けてゲロを吐くという描写はなかなか秀逸。

 

 

SCOOP!

SCOOP!

 

予想外に良かった。ラリったリリー・フランキーが最高。二階堂ふみが可愛い!前半はスクープを狙う仕事映画で、後半以降は福山と二階堂の関係性にシフトしていく。個人的には男女の仲よりも、師弟関係のままで終わってもいいかなと思った。静とチャラ源の過去のエピソードが裏設定としてあるみたいだけど、その辺も本編に絡めてほしかった。

 

車はエンストたどり着いたモーテル

ときどき口の中に違和感が出る。苦い飴を舌の上に乗せられている感じがする。たぶんお金がないストレスだろう。いまは本当に必要最低限しか持ってない。別のサイトでやっているアフィリエイトの調子が悪いせいで、収入が減っている。なら働けってなるけど、気分が落ち込みやすくなっているのでそこまでの気力が沸かない。

 

世間ではボーナスのことが話題になっているね。フリーター&ニートの人生なので一度ももらったことがないので、概念がいまいちよく分からない。数カ月分の給料がまとめて貰えるってことなのかな。別にそんなことをしなくても月ごとに振り分けたらいいのに。

 

ニートになって四年経つ。年収が二百万でも八百万は稼げてたことになる。まぁ、自分の最高年収はたぶん百五十いってないんだけど。でも、意外とそれでも暮らせてたんだよね。一人暮らしでそれなりに楽しかったよ。

 

お金は社会の空気だ。ないと息苦しいよ。

ほろよい文学

ストロングゼロ文学なるものが話題になっている。僕もちょっと前まではよく飲んでいたので、あのお酒の魔力は身をもって知っている。プライベートブランド発泡酒ストロングゼロのコンビネーションが最高なのだ。

 

しかし、あの人工的な甘さと殺人的な酔いの周り方が重たく感じるようになってきた。翌日の身体の反応もよくない。ということでほろよいを飲んでいる。アルコール度数はストロングゼロの半分以下、色々な味があるのがポイントだ。

 

好きなのは青りんご。この味はお店でもあまりないので、買って飲めるのはありがたい。酸っぱさと甘さのコラボレーションが舌の上で踊る。ぐびぐび飲んでも頭が痛くならない。最高だ。

 

まぁ、最近はお金がないのと、身体の調子が悪いのでお酒を飲むのは辞めている。一旦、飲まなくなるとそんなに欲しくなくなるから不思議だ。

最近の生活

phaさんのnote12月分を購入。相変わらずゆるくて良い。

 

ドキュメンタルを観るためにアマゾンプライムの一ヶ月分に加入してみた。400円なので安い。前に退会してから映画も増えていたので、いろいろと観る。

 

 一時期、ガルパンはいいぞというワードがネットで流行った。アニメをまったく見ない人間なのでノリや世界観がよくわからないけど、まぁそれなりに面白かった。BGMなしに戦車同士がぶつかり合うのはハーコーだなと感じた。

 

 

 荒野の七人のリメイク。エンディングに入るときが良かったね。

 

 

ミュージアム

ミュージアム

 

 予告編を見た時はセブンのパクリじゃねえかと思いきや、また違った良さがあった。ラーメン屋でエビが入っていることに怒る客がちょっと怒鳴り過ぎだろうと思った。

 

寒さのせいか気分が落ち込むよ。すぐ疲れるし、食欲もあまりない。

 

腸の調子はまだよくならない。そんなに悪いってわけじゃないから病院に行くほどでもないけど、長引くと怖いなぁ。

一人暮らしの思い出

一人暮らしを始めた頃の話。

 

朝方、目が覚めた。外から「うぉー」「うぉー」という唸り声のようなものが響いてくる。えっ、おばけ?こんな朝に?新しい生活がスタートさせたばかりで不安だらけだった僕は泣きそうになった。まだ職場にも慣れていないし、朝はゆっくりと眠りたかったのに一体なんなの?おそるおそると窓のほうを近づくとお坊さんの集団が並んでいた。彼らは「うぉー」「うぉー」と声を出し続けている。心霊現象ではないとわかったが、不気味だ。しばらく見ていると隣の家に移ってまた「うぉー」「うぉー」とやりだした。

 

あとで調べてみると托鉢という行為らしい。駅前に立っている人は見たことがあったけど、家まで来てやるのかと驚いた。しかし、朝早いのは勘弁してほしい。最初の托鉢から数年後にまた同じ時間帯にきた。その後は引っ越したので分からないが、まだやっているのだろうか。このご時世だから苦情とかこないのかな。

煽るな危険

昔、怪しげな儲け話を持ちかけられたことがあった。二年くらい付き合いのある友人から。たぶん自分よりも四〜五歳は年下だったはず。

 

「話したいことがあるからご飯でも食べよう」と誘われた。よくあることなのでそのときは何も気にせずに「いいよ」と返事をした。数日後、とあるファミレス。お互いの近況を話し合っていると「いま投資をしてるんだ」と相手が切り出してきた。株や土地ではなくスマホアプリの開発費用を集めていると話す。当時はLINEが普及し始めたときだった。けど、彼の言うアプリは抽象的な言葉を並べるだけでボンヤリとしかイメージできない。詳しく聞こうとしても「それを話すと二時間くらい要る」と言って逃げる。

 

とりあえずトイレに行ってくると言い席を立った。そのとき気づいたんだけど、それぞれのテーブルで何らかの勧誘が行われていた。若い男の子にスーツ姿の男性二人が熱心に商品を説明したり、チャラい男に綺麗な女性が何かの書類を書かせていたりしている。トイレで放尿しながら「あっ、これマルチじゃん」と気づいた。

 

マルチってシャンプーや石鹸なんかを売るっていうイメージがあったので、スマホアプリとは結びつかなかった。席に戻り、さてどうしようかなと考える。まずは話をそらす作戦。「そういう話ってどこから仕入れてくるの?」と聞くと、相手はよくぞ聞いてくれましたという顔をしてくる。「SNSの繋がりでセミナーや交流会に参加したんだ。そこで夢について語ったり、いまの日本は格差社会で〜」ということを語りだす。彼曰く「日本は一部の人間が富を独占している。自分たちのような人間が成功するにはリスクを取らなければいけない」らしい。

 

出資してほしい金額は「十万」。フリーターをしていた僕には厳しい金額だけど、出せないこともありません。それに相手との関係性を崩したくない。万が一、アプリが成功する可能性もある。と頭の上のほうではそういう考えはチラチラと浮かんでいたけど、底のほうではもう決まっていた。

 

「お金は出せません!」

 

それから疎遠になったというわけでもなくたまに会うこともあった。ただ、いまはもう互いに引っ越してSNSでもつながっていないので相手はどうなっているか分からない。

 

マルチや怪しい商売ってのはとにかく相手を煽りまくって洗脳してどんどん数を増やしていくんだなと思った。純粋な若者ならころっと騙されそうだ。