お腹の調子がだんだんと回復してきた。まだ完全じゃないけど、だいぶマシになった。ひどいときはおへその辺りがドクドクと痙攣して、何か破裂したんじゃないかと焦った。結局、何にもなかったので良かった。自律神経が乱れるとそういう症状が出るらしい。身体は不調だが、夜はわりと寝れてるし、メンタルの方も安定している感はある。まぁ、またここから崩れていくと思うんだけど。
山田風太郎の本をいくつか読んだ。元々、名前だけは知っており、なんか忍者の小説を書いた人でしょくらいの認識しかなかった。
戦時中の日記。当時の山田は二十歳そこそこに医学生だった。空襲の描写がとにかく凄まじい。燃え盛る炎、立ち込める煙、逃げ惑う人々の臨場感がヒシヒシと伝わってくる。映像とはまた一味違う生々しさがあった。
辛い生活だけど、映画やお芝居を見に行ったり、エイプリルフールには嘘をついたりと文化やユーモアがあったことが印象深い。とくに空襲警報が出て試験がなくなったのを喜ぶあたりは妙に人間臭かった。あと、とにかく本を読んでいる。食うや食わずの生活をしている中でものすごい読書量。
日本は負けると分かっているが、それでも戦わなければいけないと本気で考えていたようだ。この辺の感覚は全然分からないけど、今とは時代が違うんだなと思った。ヒトラーを褒め称えるような文章もあって、当時の人にはこういう風に見えていたのがが驚き。
最初は読みにくい文語体で日記が続いているが、終戦の八月が近づくにつれて口語体になっていくのが面白い。
色々なエッセイがまとめられているので、内容が多少重なるところがある。不戦日記と読み比べると、当然ながら老いたなという印象を受ける。
平成初期の文章だけど、高齢化社会を予測していて、日本がどんどん悪くなるみたいなことが書いてあった。令和のいま読むと、当たってますよとしかいえない。
六十代はだんだんと老いを感じ、七十を超えるとガクンガクンと老いていくらしい。
山田風太郎は七十九歳まで生きた。2001年没。